今回も前回に引き続き『米国高配当株式ETFの魅力』をあくまで個人的な主観でご紹介したいと思います。
【米国高配当ETFで有名な商品】
SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF【SPYD】
iシェアーズコア米国高配当株【HDV】
バンガード米国高配当株式ETF【VYM】
今回は、上記3つの世界的にも人気なETFのうち『iシェアーズコア米国高配当株【HDV】』(以下HDV)について紹介をしたいと思います。
このHDVは、アメリカのS&P500に採用されている会社の中から配当利回りが高く、財務状況が健全な75名銘柄に分散投資しているブラックロック社(世界最大級の資産運用会社)が提供している高配当ETFになります。
※S&P500:ニューヨーク証券取引所、NASDAQに上場しているアメリカで代表的な500社の優良企業の株価を指数化したもの
前回紹介したSPYDと異なる点は、
1、運用会社がブラックロック社(世界最大級の資産運用会社)
2、銘柄の組み入れ基準が高配当かつ、健全な財務状況であるかも考慮されている
3、75銘柄に分散投資している
組み入れられている75社の業種を見てみると、(2020年6月現在)
エネルギー :21.6%
ヘルスケア :16.9%
通信関係 :16.5%
金融 :10.6%
生活必需品 :10.5%
公共事業関連 :8.8%など
割合としては、エネルギー/ヘルスケア/通信関係が多く、全体の63%程度になっています。
※SPYDの上位組み入れ業種が、不動産/金融/エネルギーになっているため、分散投資という意味合いでもHDVはSPYDを補完するETFになっていると思います。
では代表的な組み入れ企業を見てみましょう。
AT&T :9.87%
エクソン・モービル :8.98%
ジョンソン・エンド・ジョンソン :6.99%
ベライゾン・コミニュケーションズ :6.67%
シェブロン :6.16%など
財務的にも優良な高配当銘柄が組み込まれています。
ではHDVのメリット/デメリットをまとめてみると、
【メリット】
1、S&P500の中でもとにかく高配当かつ財務的に優良な銘柄の上位75社へ分散投資することができる。
※SPYDの組み入れ業種リスクの補完としても優秀なETF
2、年に数回、条件に該当する銘柄へ自動的に入れ替えをしてくれる。(リバランス)
3、分配金(配当金)を毎年数回受け取ることができ、受け取った分配金の使い道を自由に選択することができる。
【デメリット】
1、組み入れ銘柄が75銘柄と他のETFと比較し少ないため、1名柄あたりの投資割合が高く(上位5銘柄で全体の3割を占めている)上位銘柄が暴落時に影響が大きい。
2、SPYDなど他の高配当ETFと比較し、配当利回りが若干低い。
3、〇〇ショックなどの不況時には、他のETFと比較してトータルリターン(株価が大きく下がる)が大きく下がるリスクがある。
では主要なメリット/デメリットをワンポイントで解説したいと思います。
まず一番大きなメリットは、SPYD同様に分配金が毎年貰える事によるキャッシュフローが良いことではないでしょうか。
またHDVは、SPYDと組み入れ銘柄の業種比率が違うため、SPYDと相互的な補完が可能になる点はリスク分散的には大きなメリットになると思います。
直近の分配金の状況を見てみたいと思います。
【2017年】
3月:0.722884ドル
6月:0.718133ドル
9月:0.73165ドル
12月:0.776321ドル
トータル:2.948988ドル
【2018年】
3月:0.798621ドル
6月:0.7964ドル
9月:0.791106ドル
12月:0.70881ドル
トータル:3.094937ドル
【2019年】
3月:0.82208ドル
6月:0.750368ドル
9月:0.857381ドル
12月:0.778998ドル
トータル:3.208827ドル
【2020年】
3月:0.914362ドル
6月:0.879497ドル
トータル:1.793859ドル(6月現在)
分配金はSPYD同様に年々増加しています。
しかし2020年はCOVIT –19の影響を確実に受けており2019年より少なくなる予測です。
では、実際100万円を投資した場合のシュミレーションです。
直近3年の分配金の平均を計算してみると、(2017年〜2019年)
3.08425067ドル
114株保有(約100万円)の場合の分配金は、
※ドル円107円、6月時点のHDV株価:81.50ドルの場合
351.604576ドル
分配金からまずアメリカの税金10%を差し引きして、
316.444118ドル
分配金を1ドル107円で計算してみると、
33,859円
さらに日本の税金20.315%を差し引きすると、、
26,980円
約100万円の投資で約年間27,000円の分配金を受け取ることができます。
※上記では計算してませんが確定申告をすることでアメリカで引かれた10%の税金は、納めている税金額に応じて返還される可能性があります。
SPYDには劣りますが、10年間このペースで分配金がもらえれば27万円のリターン+元金(その時点の株価に応じた元金)がトータルリターンになります。
10年間で元金の約25%が分配金として得られることになります。
ではHDVの1番のデメリットですが、SPYD同様にコロナショックなどをはじめとする不況時には、株価が大幅に下落するリスクがあります。
今回の下落率は、同じ高配当ETFのSPYDよりは下落率が低く戻りも早いですが、S&P500と比較すると下落率や戻りも遅いです。
※青がS&P500、赤がSPYD、黄色がHDV
HDVに組み込まれている高配当銘柄は、財務的な優良企業かつ高配当銘柄のためSPYDよりも下落リスクは低くなっていますが、高配当銘柄特有の成長性の低さなどによりS&P500などよりも〇〇ショックのような不況時には弱いことがデメリットになります。
つまり株価が下がることでキャピタルゲインが減少し、トータルリターンが下がります。
しかしSPYD同様に銘柄の入れ替えが定期的に行われており、長期投資として保有し続けていれば毎年インカムゲインを受け取ることができるため、分配金の減少以外はそれほど大きなデメリットはないと考えております。
今回は、日々の生活を豊かにする米国高配当ETF【HDV編】を紹介しましたがいかがだったでしょうか。
HDVは、SPYDと同様に高配当ETFとしてインカムゲインを期待できるETFです。
しかしSPYDと組み入れ銘柄が異なるため、SPYDを補完する意味でも不況や暴落時のリスク分散としてHDVを保有するメリットは大きいと思います。
どんな投資商品にもメリット/デメリットは必ずありますが、それぞれのETFの特徴やリスクを総合的に考えて分散投資することで長期的に大きなリターンを得ることができます。
目的に応じて複数のETFに分散投資することが一番大切なことですね。
基本的に投資は長期であればあるほど元金割れのリスクは少なくなり、得られるリターンも大きくなります。
今回紹介したHDVは、SPYD同様に日々の生活を豊かにする投資であり、若いうちにこそお金が必要だと思われる方はこのような高配当ETFが最適だと思います。
お金はただ貯金ではなく、投資でしっかり増やしていきましょう。
高配当ETFに関するおすすめの本は下記になりますので参考になれば幸いです。
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